プロジェクトブラウザー
プロジェクトブラウザーには、各プロジェクトで使用されているすべてのオーディオファイルが表示され、ファイルの管理と不明なファイルの検索が行えます。
プラグインのプロジェクトブラウザーと転送フォルダー
Melodyneプラグインでは、DAWから実行したMelodyne転送ごとのファイル項目がプロジェクトブラウザーに表示されます。
Melodyneプラグインはオーディオ素材をDAWトラックから録音し、独自のオーディオファイルを作成してハードディスクに保存します。Melodyneでの再生と編集を可能にするには、DAWプロジェクトのオーディオファイルにアクセスできるだけでは充分ではありません。Melodyneが転送中に作成したファイルも必要となります。
この点は、DAWプロジェクトをアーカイブ保存する場合や、別のユーザーに提供してMelodyne編集を完了させてもらう場合に重要となりますので覚えておきましょう。この場合、DAWプロジェクトだけではなく、オーディオファイルとその他のファイルすべて、そしてMelodyneが作成した転送ファイルも一緒にしておく必要があります。そうしないと、アーカイブ保存したプロジェクトを復元する際やファイルの受信者がファイルを開く際に、転送されたパッセージやパッセージに適用された編集にアクセスできません。
それでは、Melodyneはこのファイルをどこに保存するのでしょうか。また、このファイルをプロジェクトに添付するにはどうしたらよいのでしょうか。その答えは、プロジェクトブラウザーにあります。プロジェクトブラウザーでは、転送ファイルの管理と検索が行えます。
プラグインのプロジェクトブラウザーでは、転送が保存されるフォルダーを選択できます。これを行うには、プロジェクトブラウザーの右上隅の歯車アイコンをクリックして、[転送用パスを設定]を選択します。この選択は、現在のプロジェクトにのみ適用されます。そのため、プロジェクトのアーカイブ保存や第三者とのプロジェクトファイルのやりとりをより簡単にするためにも、DAWのプロジェクトフォルダー内のフォルダーを選択することをおすすめします。
転送用のフォルダーは、編集プロセスのいつでも選択できます。選択すると、プロジェクト過程でそれまでに作成された転送すべて(およびMelodyneの一時転送フォルダー内にほぞんされているものすべて)が、選択したフォルダーに移動します。この新しいフォルダーが同一または異なるボリューム(別のハードディスクなど)上にあるかどうかは関係ありません。既存のファイルは新しいロケーションにコピーされます。これ以降の転送は、新しく作成したこのフォルダーに保存されます。
転送用に新しいフォルダーを選択するたびに、新しいファイル参照も一緒に保存されるようDAWプロジェクトを保存するメッセージがMelodyneに表示されます。
転送パスの自動選択
DAWによっては、現在のプロジェクトのフォルダーの場所をMelodyneに知らせることができるものがあります。これらのDAWでは、別のパスを指定するオプションは提供されません。その代わり、MelodyneはDAWで作成されたプロジェクトフォルダー内に転送を自動保存します。これにより、転送ファイルがプロジェクトファイルと共に保存され、不明なファイルが生じることがありません。
DAWで転送パスを選択できなくても心配は要りません。この場合、Melodyneは適切な場所にファイルを自動保存します。
使用されていないオーディオファイルや不明なオーディオファイル
スタンドアロンとプラグインのどちらでも、オーディオファイルはブラウザー内で次のように色分けされています。
- 黒:ファイルは存在しており、プロジェクトで使用中
- 灰色:ファイルは存在しているが、使用されていない(プロジェクトに含まれている音すべてを削除している場合など)
- 赤:ファイルが必要だが使用できない
使用されていないファイルが自動削除されずプロジェクトブラウザーに残されている理由は、手動で行われたのでない削除は取り消しができないためです。
Melodyneが転送ファイルを見つけられない場合(ファイルが削除されていたり、プロジェクトファイルを別のコンピューターに移動した際に置き忘れがあった場合など)、不明なファイルがプロジェクトブラウザーに赤で表示されます。このようなファイルに属するノートは、ノートエディター内に灰色に赤の縁取りで表示され、再生中はミュートされます。
ドロップダウンメニューとコンテキストメニューのコマンド
プロジェクトブラウザーの歯車アイコンで開いたドロップダウンメニューおよび同じブラウザー内のコンテキストメニューは、次のコマンドを提供します(コマンドの一部は不明なファイルの割り当てに使用されます)。
転送用パスを設定... (プラグインのみ):上記で説明したとおり、転送ファイルの保存場所を指定できます。
Finder/エクスプローラーに表示 :プロジェクトブラウザーでファイルを右クリックした後にこのコマンドを選択すると、Finder/エクスプローラーのウィンドウが開き、ファイルのロケーションが表示されます。
ファイルをコピー: 選択されているファイルをクリップボードにコピーします。これはたとえば、必要な転送ファイルが1つまたは複数不明なプロジェクトを別のユーザーに提供した場合に便利です。プロジェクトブラウザーで不明なファイルを選択して、[ファイルをコピー]を選択してからクリップボードの内容をハードディスクまたは保存用メディアにペーストすることで、不明なファイルを探し回ることなくエラーを迅速に解消できます。
ファイルのパスをコピー: 選択されているファイルのパスをテキストとしてクリップボードにコピーします。これは、不明なファイルのリストを誰かに送信する必要がある場合に便利です。
不明なファイルを検索: ファイル選択ウィンドウが開き、ハードディスク上の不明なファイルを検索してMelodyneに伝えることができます。
再割り当て後は、更新された参照を保存するためにプロジェクトを保存することをおすすめします。
外部ファイルをプロジェクトフォルダーにコピー(スタンドアロン): このコマンドを使用すると、ハードディスク上の別ロケーションからプロジェクトにインポート([ファイル]メニューまたはドラッグ&ドロップ)したファイルすべてが、Melodyneプロジェクトのオーディオフォルダーにコピーされます。このフォルダーはMelodyneプロジェクトを初めて保存する際に作成され、プロジェクトのMPDファイルと同じファイル階層にあり、MPDファイル名の後に「_Audio」が付きます。このコマンドを実行後は、更新された参照を保存するためにDAWプロジェクトを保存することをおすすめします。
プロジェクトフォルダー内の未使用のファイルを削除:プロジェクトブラウザー内で「使用されていない」ファイルとして表示されているファイルについて、今後必要ないことがはっきりしている場合、このコマンドを使用してこれらのファイルを削除し、ハードディスクの空き容量を拡大できます。
コンテキストメニューの最後の2つのコマンドでは、プロジェクトブラウザー内のファイルをアルファベット順に表示するか、状態別(不明、使用中、未使用)に表示するかを指定できます。