サウンドエディター - 操作

このツアーでは、サウンドエディターのパラメーターを使用して録音内容の音色を変更する方法を説明します。サウンドエディターで編集するノートの選択方法などその他のテーマについては前のツアー「サウンドエディター - はじめに」をご参照ください。

平均スペクトル

サウンドエディターの機能について詳しく見ていく前に、「平均スペクトル」という語について説明しておく必要があります。

オーディオトラックのノートが検出されると、Melodyneはスペクトル分析を実行して各ノートに含まれるハーモニックパーシャル(これ以降「倍音」と表記)とそれらの音量を測定します。分析が終わると、Melodyneは各ノートの「音響指紋」(スペクトル形状での)を保存します。トラック上の全てのノートのスペクトルを平均後、Melodyneはトラック全体の「平均スペクトル」を取得します。

サウンドエディターを使用したスペクトルの調整の始点は、該当するトラックの平均スペクトルになります。平均スペクトルは、トラックのノートの平均音色と考えるとよいでしょう。平均スペクトルは、サウンドエディターのさまざまな作業エリア内で列のサイズを変更したりカーブを再描画しても固定の細い線として表示されます。

サウンドエディターを開く際に複数のトラックが選択されている場合、これはそれらの平均スペクトルとなり、表示され編集の基盤となります。

強調とダイナミクス

[強調]と[ダイナミクス]スライダーは、トラックの音色と振幅を操作するシンプルでありながら効率的な方法を提供します。これらはサウンドエディターの他の要素から独立して機能し、ディスプレイには影響を与えません。これらのコントロールのいずれかまたは両方を使用するにはサウンドエディターを開く方がよい場合もあります。

[環境設定]ダイアログの[ユーザーインターフェース]ページの[ツールチップを表示]オプションにチェックマークを入れると、マウスオーバーするとさまざまなコントロール要素名がポップアップ表示されるようになります。

強調: このスライダーを中央(ニュートラル)から右に動かすにつれて、ノートのスペクトルと平均スペクトル間の差異が広がります。これにより、平均スペクトルからスペクトルが逸脱するにつれてその特性が強調され、違いは漸進的に強調されます。

スライダーを左に動かすと逆の効果が得られ、該当するノートのスペクトルがより平均に近づくのと同じになります。この場合、特性は徐々に消えておき、トラック全体の音色がより統一されます。

[強調]スライダーは、ボリュームを変更することなく、ミックス内の特定のソース部分の存在感を上げたり、他の部分を分かりにくくして上手くなじむようにしたりする優れた手段を提供します。

[強調]スライダーは両方向にかなり広い範囲で変更でき、エフェクトの生成にパワフルなツールでもあります。ただし、素材によっては、ずっと小さな値でさまざまな結果が得られます。そのため、このコントロールは慎重に操作することをおすすめします。Altキーを押したままスライダーを動かすと、パラメーターを1セント単位で上下に変更できます。

ダイナミクス: このスライダーはノートの振幅、具体的にはノートの内部ダイナミクスに影響します。スライダーを右に動かすと、各ノートの静かな部分はより静かになり、左に動かすとより大音量になります。つまり、スライダーを右に動かすと、各ノート内の振幅の変動が強調され、左に動かすと、変動がスムーズ化されます。

たとえば、[ダイナミクス]スライダーをピアノ録音に適用すると、スライダーを右に動かすとノートの減衰がより早くなり(スタッカート効果)、スライダーを左に動かすと減衰がよりゆっくりになり、パッセージにレガートの雰囲気が生まれます。[ダイナミクス]スライダーは均一の振幅のノート(オルガンなどの同じエンベロープ)では、多少音が大きくなる以外、影響が現れません。

アドバイス:ポリフォニック素材では、[ダイナミクス]スライダーを左に動かすと、元は重なっていなかったノートが重なり合うことがあり、ヘッドルームが不十分な場合、歪みのしきい値を超えることがあります。ただしこれは、[ゲイン]ノブを逆時計回りに回しておくことで簡単に防ぐことができます。

バイパス、ゲイン、グローバルのサウンドエディターメニュー

サウンドエディターの右上隅には、サウンドエディターを完全に無効にして無編集のトラック信号のみが聞こえるようになるバイパススイッチがあります。このスイッチを使用して、編集済み信号と未編集信号のサウンドをすばやく比較できます。

表示とその他のオプション

作業エリア

blob情報を表示

倍音、Hi、Loの各作業エリア

[倍音]エリアには選択されているトラックのノートの倍音スペクトルが表示され、これを編集できます。

ユーザーインターフェイスの要素を表示/隠す

トラックを表示(A):[トラック]パネルの表示/非表示を切り替え、ノートエディターの高さを下げて空間を広げます。[情報]パネルが左に表示されている場合、トラックのヘッダーは、[トラック]ウィンドウパネルが非表示であっても表示されます。ノートエディターを表示(B):ノートエディターと左の[情報]パネルを表示/非表示を切り替え、トラックとトラックヘッダーの高さを調整します。サウンドエディターを表示(C):サウンドエディターをノートエディターの下に表示/隠します。[Lo]と[Hi]の作業エリアは[倍音]エリアを補完します。これら3つのエリアは同時に有効になり、その効果は累積します。[Lo]と[Hi]の作業エリアは[倍音]エリアと全く同じ機能セットを提供しますが、それぞれ、該当するトラックの音域の下半分または上半分にあるノートの倍音にのみ影響します。半分の位置は、Melodyneが自動で決定します。2つのリージョンに対する設定は、音色がスムーズに推移するよう、クロスオーバーゾーンでは互いにひとつに変化します。

ノートエディター内の自動スクロール(M):このオプションを選択すると、再生カーソルに合わせてノートエディターの表示がスクロールします。

たとえば、高めの音は完璧なのに、低めの音が少しぼんやりしたピアノトラックがあるとします。この場合、一般的なイコライザーを使用して低めの音とミッドレンジを明るめに変更しようとすると、高めの音が明るくなりすぎてしまいます。一方、サウンドエディターではそのような問題は生じません。高めの音には影響を与えずに、[Lo]作業エリアで低めのノートの倍音スペクトルを編集し、同時に、低域に影響を与えることなく、[Hi]作業エリアで高めの音を調整できます。[倍音]作業エリアの設定は有効なままとなり、全ての音に対するコントロールを補完する機能を提供します。

自動スクロールが一時的に無効の場合、ノートエディター右下倍音バーと使用隅の自動スクロールアイコンがこ方法こに示す

以下に説明しているオプションはすべてノートエディターに関連しており、メインメニューの[オプション]>[ノートエディターオプション]を選択するか、ノートエディター右上隅の歯車アイコンをクリックすると表示されます。

これらのオプションは、編集モードとノートアサインメントモードに対して個別に選択できます。

[倍音]、[Lo]、[Hi]作業エリアのバーはノートの倍音パーシャルを示しています。「1」と表示されているバーは第1倍音(基音)で、その右の「2」「3」「4」バーはそれぞれ第2、第3、第4倍音を示します。周波数はそれぞれ基音の2倍、3倍、4倍となります。「<」と表示されている一番左のバーは、基音を下回る全ての周波数のレベルに影響します。複数のソースがある場合、このバーを下に下げるとサウンドがクリーンになります。

バーの高さを調整するには、次の手順で行います。

  • 左は何も表示されていない(ノートエディター表示オプションで何も選択していない場合の)blob、右はピッチカーブが選択されている場合のblobです。

  • このオプションが選択されているどうかに関係なく、ノート分割ツールが使用されている場合は常にノート分割が表示されます。スペクトルをリセット:該当する作業エリア内の倍音のバーを元の位置に戻し、平均スペクトルを反映します。

テールが表示されていない場合、タイミングツールでノートの最後の部分をドラッグし、ノートの長さを変更することができます。この際、テール部分は変更に合わせて自動的に調整されます。この表示オプションは、意図されるイベントの倍音、Lo、Hiの概要が分かりマクロコントロールやすくなることを目的として

ブリリアンス: このスライダーを右に動かすと、高めの倍音のレベルが上がり、サウンドがより明るくなります。左に動かすと、高めの倍音が静かになり、サウンドがぼんやりします。

輪郭:

奇数/偶数: 右に動かすと奇数の倍音が徐々にフェードアウトし、左に動かすと偶数の倍音がフェードアウトします。前者の場合、オクターブは着実に強化され、後者の場合、ソースは徐々に空のようなクラリネットのようなサウンドになります。

コム:

倍音を示すバーの4つのスライダーを自由に組み合わせ、豊富なサウンドデザインのオプションを提供します。

EQ作業エリア

[blob情報を表示]が選択されている場合、マウスポインタをノート上に移動させると、ノートの最初に合わせた垂直線もタイムルーラーに表示されます。これにより、より正確な位置合わせが行えます。

この枠は、マクロを使って部分的なクオンタイズをノートに適用する際にノートが引き寄せられる先の音高と時間上の位置も示しています。また、タイムツールまたはピッチツールを使ってダブルクリックするとスナップされる位置も示しています。

EQ作業エリアとその他のエリアの間で混乱を防ぐため、倍音ベースのもの、各帯域の現在のレベルは、水平の線ではなくカーブでここに表示されます。ただし、さまざまな周波数帯域のレベルの調整には、他のウィンドウでの倍音バーの高さの調整と同じテクニックが使用されるため、バーの選択とドラッグ方法を説明したセクションをまだお読みでない場合、まずそのセクションをご覧ください。

ローカルのドロップダウンメニューには、EQスペクトルに対する次のコマンドがあります。

  • スペクトルをリセット:元の平均スペクトルを復元します。
  • スペクトルをコピー:別のトラックにペーストできるよう、現在のEQスペクトルをコピーします。このコピーを実行すると、コピーされたスペクトルに現在の輪郭設定が考慮されますが、他のマクロスライダーの値は単にコピーされ、フォルマント設定は無視されます。

EQマクロスライダー

マクロスライダーは全ての周波数帯域のレベルに影響し、その効果は即座に帯域の高さに反映されます。いずれかのマクロコントロールをCommand-クリックすると、中間位置にリセットされます。これにより、それ以前に帯域の高さに施された操作が削除されますが、手動で行った変更(マクロを使用して行った変更以外)はそのまま残ります。

コントロール(左から右):

ブリリアンス: このスライダーを右に動かすと、高めの帯域のレベルが上がり、信号の高周波数成分がより目立つようになります。左に動かすと、高めの帯域が弱くなり、サウンドがぼんやりします。

輪郭: このスライダーを右に動かすと、隣り合う帯域間の高さの違いが大きくなり、山は高く、谷は深くなり、一般的に表示の輪郭がシャープになります。スライダーを左に動かすと、まずはスペクトルが徐々にリニアになり、次に反転します。

調性: 右に動かすと、その音階に無関係なノートがフェードアウトします。左に動かすと、音階に関係するノートがフェードアウトします。

コム: 前者の場合、5度圏内の主音から最も遠い音から順に、5度圏とそのオクターブだけになるまで削除されます。スライダーの両端のボタンを使用して、どの音をこの目的での主音とするかを、5度圏を時計回りまたは逆時計回りで順に選択して決定できます。左のボタンは、現在主音に指定されている音を示します。

メインのEQディスプレイ内の各周波数帯域を直接編集して4つのスライダーを自由に組み合わせることができます。

フォルマント

フォルマントは周波数スペクトル内のピークで、その位置は、基音のピッチには直接には関係していません。フォルマントは、各楽器やボイスにそれぞれの特徴を与えるのに役立ちます。これまでにMelodyneを使用したことがあれば、フォルマントツールについてはご存じのことでしょう。フォルマントツールでは、ノートのフォルマントを上下にずらすことで、ノートのサウンドを変更できます。

サウンドエディターもフォルマントへのアクセスを提供します。EQ、倍音、Lo、Hiの各作業エリア内でフォルマントを編集でき、編集内容は該当のトラックの全てのノートに影響します。フォルマントへは、バーまたは帯域の下の濃い灰色のゾーン(倍音またはノート名が表示されている部分)からアクセスできます。

  • このエリアを水平にドラッグして、倍音またはEQ帯域全てを左右するフォルマントをずらします。
  • 隣り合うバーまたは帯域を選択して操作すると、そのバーまたは帯域のみを左右するフォルマントをずらすことができます。この処理を繰り返すことで、複数のフォルマントをさまざまな方向にずらすことができ、ずらす量を変えることで、複雑なフォルマント推移パターンを生成できます。

  • フォルマントゾーンをCommand-クリックすると、音域全体を通して元のフォルマントに戻ります。

サウンドエディターで説明したテクニックのフォルマントツールと、トラックインスペクター内の[フォルマント]ノブは、同時に適用させることができます。組み合わせた効果は次のとおりです。

  • フォルマントツールは、選択されているノートのフォルマントを上下にずらします。サウンドエディター内でトラックのフォルマントが該当のノートの方向に「曲げられて」いる場合、この「曲げられている」フォルマントがずれます。つまり、フォルマントツールは、サウンドエディター内に表示されているフォルマント構造に対して、ノートに基づくオフセットを付加します。
  • トラックインスペクターの[フォルマント]ノブと、サウンドエディターが提供するフォルマントシフト機能は、トラック全体に影響し、連携して働きます。[フォルマント]ノブを回すたびに、サウンドエディター内のフォルマント構造(実行済みの編集を含む)全体が上下にずれます。EQまたは倍音作業エリア内で全ての倍音をずらすと、[フォルマント]ノブがそれに従って動きます。一方、サウンドエディター内で一部の倍音や周波数帯域のみを選択している場合、[フォルマント]ノブには変更が反映されません。

フォルマントは基音が変化する際には動かないため、厳密には、フォルマントを編集できるのはサウンドエディターにある4つの作業エリアのうちひとつ(EQ作業エリア)だけです。倍音、Lo、Hiの作業エリアでは、バーはノートの動きに平衡して動く倍音に結びつけられているため、「スペクトルの変更」と呼ぶにふさわしい操作です。とはいえ、4つの作業エリアで説明したテクニックを使用しても有益な結果を得ることはできます。それらの複合効果は以下のとおりです。

  • EQの全帯域に適用されたフォルマントシフトは倍音作業エリアに反映されます。同様に、倍音作業エリアの全バーに適用されたフォルマントシフトはEQに反映されます。HiおよびLo作業エリアにはEQの全帯域に適用されたシフトが反映されます。
  • ただし、HiまたはLo作業エリアでのフォルマントシフトは倍音またはEQ作業エリアには反映されません。これは、HiおよびLo作業エリアはそれぞれ音域の半分にしかアクセスしないため、各エリアになされた変更は基音またはEQ作業エリアに表示できないためです。
  • Hiおよび/またはLo作業エリア内でフォルマントをずらしてから、倍音またはEQ作業エリアで全てのフォルマントをずらした場合、結果はHiおよび/またはLo作業エリアに反映されます。Hiおよび/またはLoで構築したフォルマント構造が、この場合まとまってずれます。同様に、HiまたはLo作業エリアでの倍音をリセットしても、倍音またはEQ作業エリアには反映されません。
  • 一方、倍音またはEQ作業エリアでフォルマントをリセットすると、4つ全ての作業エリアに変更が反映されます。倍音およびEQ作業エリアではフォルマントはリセットされ、HiおよびLoではそれぞれのウィンドウで実行された編集のみ効果を維持します。
  • フォルマントシフト前に全ての倍音または周波数帯域が選択されていない場合、変更は、フォルマントシフトが実行された作業エリアにのみ反映されます。

[シンセ]エリアのエンベロープ

この作業エリアには3つのエンベロープがあり、それぞれ、スペクトル編集の強度、フォルマントシフト、ノートのボリュームをダイナミックにコントロールできます。ここにも、サウンドエディターの再合成を調整する2つのグライダーがあります。

エンベロープでは、編集されているトラックのノートにさまざまな方法で影響を与えることができます。たとえば、ピアノトラックのノートのアタックをわずかに伸ばして、楽器に微妙に異なる特徴を与えることができます。また、スペクトルフィルタリングを使用することもできます。同時に、各ノートのフォルマントを上方向にグライドさせることもできます。

これらの効果は編集中のトラックのノート全てに直接作用します。各ノート(ポリフォニックなオーディオ素材に含まれるものであっても)は、他のノートから独立して、それぞれのエンベロープの指示に従います。操作原理は、エンベロープジェネレーターやポリフォニックシンセサイザーのそれとほぼ同じですが、サウンドエディターのエンベロープはMIDIメッセージではなく、オーディオトラックのノート(より正確に言えば、ノートの音楽的なスタート位置)によりトリガーされます。ノートに明確なスタート位置がない場合、先行するノート分割がエンベロープトリガーとして機能します。(Melodyneのノートアサインメントモードではノートのスタート位置を調べて設定することができます。)

エンベロープを形成するには、三角形のハンドルをドラッグするか、灰色のエリア内を直接ドラッグします。各エンベロープには、スタートレベル、アタックタイム、サステインレベル、サステインタイム、ディケイタイム、最終レベル(ディケイ段階後のレベル)の6つのパラメーターがあります。

各エンベロープの下のルーラーをドラッグして、エンベロープディスプレイに示される時間の長さとエンベロープの作成に対して使用可能な時間の長さを秒単位で決定できます。

さまざまなパネルにある[スペクトル]、[フォルマント]、[音量]の横のチェックボックスは、それぞれのエンベロープジェネレーターの有効化と無効化に使用します。エンベロープをCommand-クリックすると、元のニュートラルな設定に戻ります。

これらは3つのエンベロープディスプレイ中央の水平線で示されます。この中央線より上のエリアでは、エンベロープによって、スペクトルフィルタリングの強度が上がるか、フォルマントが上向きにシフトするか、音量が上がるかします。この中央線より下のエリアでは、エンベロープによって、スペクトルフィルタリングの強度が下がるか、フォルマントが下向きにシフトするか、音量が下がるかします。

[スペクトル]エンベロープは、倍音、Hi、Lo、EQの各作業エリア内で効果を持つ元の平均スペクトルになされた全ての変更の強度を左右します。[フォルマント]エンベロープは、フォルマント構造全てを上方向または下方向に動かすことで、これらのエリア内の全てのフォルマントシフトに影響します。

[シンセ]エリアの[再合成]コントロール

サウンドエディターは、信号をさまざまな周波数に分割し、これらに変更を加えてから組み合わせて新しい信号を形成します。そのため、組み合わせられた信号には、ハーモニックパーシャル(基音の整数次倍の周波数)だけでなく、スペクトル内に散在し、ハーモニックパーシャルとほとんど一致しないインハーモニックパーシャルとシンプルなノイズ(下弦やペダルのきしみや背景雑音など)も含まれています。

倍音、Lo、Hiの作業エリアのバーはこのハーモニックパーシャルが中心となっていますが、Melodyneは、有限数のサイン波オシレーターしか使用できない純然たる他のシンセサイザーと異なり、パーシャル間の信号成分が失われることがなく、信号内で再生成され、オリジナルに忠実であり続けます。倍音バーを動かすことでサウンドを(希望に応じて劇的に)変更できますが、基本となるのは常に元の録音の素材です。

2つの[再合成]スライダーを使用する際は別です。

大きさ: このスライダーを右に動かすと、スライダーが右端に到達して各ノートの存続時間音色の変化がまったく起こらなくなるまで、各倍音の振幅の変化が徐々に低減します。結果として丸が上下に動かなくなり、倍音バーの最上部に留まります。スライダーを右に動かすと、各倍音に割り当てられている帯域が狭まり、非倍音成分が徐々に信号から消失します。

位相: さまざまなパーシャルの異なる位相も、信号の自然な再現にかなりの影響を与えます。スライダーを右に動かすと、全てのパーシャルが同相になるまでパーシャル間の元の位相比が徐々に低減していきます。これは主に信号内のトランジェントに影響し、サウンドがより人工的になります。[位相]と[大きさ]コントロールは、単独または組み合わせて使用できます。

両方のスライダーを右端にした状態だと、結果は特に「人工的」でシンセ波形を思わせるサウンドになります。これは、倍音、バー、エンベロープなどを使用したサウンドデザインの起点として使用できます。