ピッチツール

  • ボーカル編集が飛躍的に進歩– 新しいボーカル機能と歯擦音検出機能に関するハンズオンビデオです。 Melodyne 5 studioの場合。別エディションでは異なることがあります。日本語字幕。
  • ピッチの編集– ピッチセンター、モジュレーション、ドリフト用ツールが互いに作用する仕組み、最も適した使用法。Melodyne 5 studioの場合。別エディションでは異なることがあります。日本語字幕。

ピッチツールでは各ノートのピッチセンターを編集できます。ピッチセンターは、Melodyneのメインツールを使用しても編集できます。

ピッチセンターをシフトさせる

ノートエディターのツールボックスまたはコンテキストメニューから、またはコンピューターキーボードのF2キーを押してピッチツールを選択します。(このツールに別のショートカットを割り当てたい場合、メインメニューの[Melodyne]>[環境設定]>[ショートカット]>[編集ツール]を選択して行えます。)

ピッチツールは、3つのピッチ編集ツールの一番上にあります。これで各ノートのピッチセンター(重心)が決まります。Melodyneでは、ノートのピッチセンターを、ノートのピッチモジュレーションやドリフトから独立して編集できます。F2キーをすばやく2回または3回連続して押すと、ピッチツールの1番目または2番目のサブツールを選択できます。[環境設定]ダイアログでは、希望に応じて、3つ全てのツールに対して別のキーボードショートカットを定義することもできます。

ノートのピッチを変更するには、ピッチツールでノートを上下にドラッグします。ノートが複数選択されている場合、選択されているすべてのノートをまとめて上下に移動することができます。

ピッチグリッドに[スナップなし]、[半音スナップ]、[キースナップ]、[コードスナップ]のいずれのオプションが選択されているかに応じてノートの移動動作が変化し、自由に移動するか、最も近い半音、選択されているスケールの最も近い音、最も優勢なコードの最も近い音のいずれかにスナップします。

Altキーを押したまま操作すると、選択されているグリッドが無視されます。 こうすることで、ノートを自由に移動させることができます。

ピッチシフトをモニターする

ノートを別の音高に動かすと、ノートをクリックした位置のサウンドが新しい音高で再生されます。この際、マウスを左右に動かすと、ノートの他の部分にフォーカスを移すことができます。この方法でピッチ変更をモニターしたくない場合、[オプション]>[ノートエディター]サブメニューの[blob編集時にモニター]オプションのチェックマークを外します。このオプションには、ノートエディターの右上隅の歯車アイコンからもアクセスできます。

該当するノートがコードの一部である場合、ノートを上下にドラッグする際にコード全体(と変化する倍音成分)を聞くオプションが追加されます。これを行うには、ノートをドラッグし始めてからCmdキーを押し、そのまま押したままにします。こうすると、新しいコードを作成しながら聞いて評価することができるので、複数のトラック内でノートをピッチシフトしてボーカルのハーモニーを作成または向上させるのに便利です。

インスペクタでピッチを編集する

ピッチツールを使って行うほかにも、ノートを選択してからツールバー近くのインスペクタまたはノートインスペクタにセント単位で差異を入力して編集することもできます。ノートインスペクタでは、選択されている1つまたは複数のノートの周波数をヘルツ単位で指定することもできます。どちらの場合も、関連するボックスをクリックして矢印を上下にドラッグすることで現在の値を増減できます。

ピッチフィールドに入力する場合、絶対値(C3、D4など)または相対値(+2、-1など)のいずれかを入力することができます。

さまざまな音高の複数のノートを選択した場合、3本のハイフンがボックス内に表示されます。ボックス内をドラッグすると、相対的な変化値が表示されます。

ダブルクリックでピッチを補正する

編集エリアのノート表示を見て、水平ストライプの中心にノートがない場合、ノートが少しシャープまたはフラットぎみになっていることを示しています。これらは半音階のノートを示し、該当するノートはノートエディター左の縦のピッチルーラーにより示されます。半音スナップがオンの場合にピッチツールまたはメインツールでこのようなノートをダブルクリックすると、このノート(および同時選択されているその他のノート)がグリッドにスナップし、それぞれのストライプのちょうど中央に配置されます。該当するノートのオフセットは0セントになります。つまり、完全に調った状態になります。

ただし、半音スナップではなくスケールスナップまたはコードスナップがオンの場合で、オフセットがゼロに設定されている場合、ダブルクリックすると、該当するノートが別のストライプに移動することがあります。

たとえば、ここで示されているとおり、コードスナップがオンの状態でEをダブルクリックすると、優勢なコード(この場合であればたとえばFマイナー)にはEがないため、Fに移動します。また、ターゲットノート(この場合F)からのオフセットは0セントになるため、新しいノートは完全に調った状態になります。

ただし、イントネーション補正が目的ではなく、該当するノートと選択されているコードの間の不一致を取り除きたいだけである場合、Altキーを押したままダブルクリックします。こうすると、意図したとおり最も近いコードのノートにスナップしますが、ターゲットのピッチからのオフセットは以前のピッチからのオフセットと同じになります。わずかなずれや不完全さはいきいきとして豊かなコーラス効果を生むため、時としてこれは好ましいものとなります。

ピッチを編集する際、blobは「ハンドル」として機能します。ユーザーが集中すべきは、blob内のピッチカーブです。目的がイントネーションが悪いことによる耳障りな音を避けることなのであれば、重要なのは、ノートの「適切な」部分が「適切な」音高にあることです。

ノートインスペクターに表示されるオフセットは、ダブルクリックによるイントネーション補正の基盤として機能しますが、これはノート全体を通してピッチカーブがたどる軌道に基づきます。この際、Melodyneでは非常に多数の音楽的基準が考慮されます。そのひとつが、一般的にノートの中央部分(冒頭や末尾ではなく)がリスナーの音高認識においてより決定的な役割を果たすという事実です。インスペクターが提供するのは提案です。Altキーを押したままノートをドラッグするかノートをダブルクリックすると、この提案を承認したことになります。

原則として、ノートをダブルクリックすると、ノートの音高が調えられると考えておきましょう。

また――これはジャンルにより決まるリスニング習慣や好みによりますが――ノート分割を挿入して問題のあるノートをスライスしてか新たに作成されてノートの断片をダブルクリックしてもかまいません。断片が小さいほど、完璧なイントネーションに近くなります。ただし、結果としてパフォーマンスのエモーションが失われることがあります。

使用可能なチューニング方法(特にボーカルトラックへの応用)、完全なイントネーションと豊かな感情表現のバランスを取り調和させる方法について、詳しくは、ヘルプセンターの「トレーニング」セクションをご参照ください。

ピッチトランジション

あるノートが別のノートと関連しており、その関連性が検出されている場合、この2つのノートの内部にはピッチカーブが表示され、2つのノートの間にはピッチの推移(トランジション)を示す太いオレンジ色のラインが表示されます。

ピッチツールをこのうちのいずれかのノートの先頭部分に合わせて垂直方向にドラッグすると、ピッチトランジションの度合いを変化させることができます。

ピッチのトランジションは、連続するノート間にソフトなノート分割がある場合にのみ存在します。分割タイプツール(ノート分割ツールのサブツール)でソフトな分割をクリックすると、ハードな分割に変化し、2つのノート間の関連性がすべて分断されます。

特定の編集をリセットしランダムなずれを追加する

[編集]>[特定の編集をリセット]>[ピッチ]メニューでは、さまざまな種類のピッチ編集を元に戻すコマンドを選択することができます。コマンドを選択すると、選択されているノートの特定の編集を元の状態に戻すことができます。これらのコマンドは、選択されているノートに適用されている編集の種類がコマンドの対象に該当しない編集である場合、灰色表示されます。また、これらのコマンドは通常の[取り消す]コマンドとは無関係に動作します。

[編集]>[ランダムなずれを加える]では、現在選択されているノートのピッチをランダムに変更し、元のイントネーションに対して小程度、中程度、高程度のずれを加えることができます。コマンドを繰り返して複数回使用し、エフェクトの効果を強調することもできます。これらのコマンドは、たとえばトラックを重ねてより「厚みのある」サウンドを作成する場合に便利です。ランダムなずれを追加し、コピーとオリジナルを異なったものにすることで、2名の奏者がユニゾンで演奏または歌っている様子をよりリアルにシミュレートすることができます。これらのコマンドは、選択されているノートにのみ影響するため、選択されているノートがない場合は灰色表示になります。